✔️ 本記事は「子育てのモヤモヤ」シリーズ本編①です。
12歳になった息子が、急に自分のことを話さなくなった。 そんな違和感に気づいたのは、ごくありふれた会話の中でした。
「学校どうだった?」
「うーん、ふつう。」
以前はもっと色々と話してくれていたのに、最近は「別に」「わからない」で会話が終わってしまう。
ちょっと前までは、もう少し静かにしてくれないかなぁ・・・とすら思っていたおしゃべりな息子のあまりにも大きな変化に、もやもやとした不安にも似た気持ちと、「この子は私のことを信用していないのでは?」という疑問がわいてきました。
なんとか彼の気持ちを知ろうと、なるべく自然な形で、できるだけいろんな角度から質問を投げかけたり、機嫌のいいタイミングを狙ったり…でも、そうやって歩み寄ろうとすればするほど、彼との距離が広がっていく気がしたのです。
「話してほしい」と願う親心は、正しいのか?
私はいつしか、息子に「話してほしい」こと自体が目的になっていました。
でも、それって本当に「彼のため」だったのでしょうか?
本当は、
「わからないことがあると不安」
「親として何もできていないように感じる」
そんな自分の気持ちを落ち着けるためだったのかもしれないと気づいたのは、同じようにコーチングを学ぶ友人との会話の中からでした。
私たち大人を取り巻く日常の人間関係同様、「話してくれること」だけで、信頼関係は成り立つものではないですよね。 言葉にしなくても通じている関係、それが本当の信頼なのだと、その時はじめて思ったのです。
私がしてしまっていた、無意識のコントロール
当時の私は、
「もっと教えて」
「ちゃんと話してくれなきゃわからない」
という声掛けを、子供にしていました。でも、それは結局「私の思い通りに話してほしい」という願望であり、彼のタイミングや気持ちを無視していただけだったのです。
息子の沈黙を「拒絶」と捉えてしまい、ますます追い詰めるようなかたちを自ら作ってしまっていたことに反省しました。 会話が減った=信頼が減った、という短絡的な考えに囚われていたのは、間違いなく、私自身だったと思うのです。
セルフコーチングで見えてきた「聞かなくても伝わる信頼」
ある日、私はセルフコーチングの基礎に戻り、自分で自分にでこんな問いを立てました。
私は、どんなふうに、彼といたいと思っているのだろう?
そこで初めて、自分の中にあるもやもやした気持ちと向き合えたのです。
私が安心したかった = 私がコントロールしたかった。
そう気づいたとき、初めて「彼の心の声を聞く姿勢」を整えることができました。
そして、そんなタイミングで開いた心理学の本の中から
- 傾聴(Active Listening)・・・言葉より「雰囲気」を聞く
- オープンクエスチョン・・・「どうして?」ではなく「どんな感じ?」と開いた問いを投げかける
について、書かれていました。このタイミングで、特に私の心に留まったのは「傾聴」です。
【傾聴(アクティブリスニング)とは】
・言葉そのものより、「雰囲気」や「気配」を感じ取る姿勢
・相手の声のトーン・表情・間(ま)なども含めて聴くこと
・「理解しよう」とするより、「受けとめよう」とする気持ちが大切
・自分の感受性を信じて、焦らず静かに寄り添うこと
つまり、「耳」だけではなく、「心」でも聴くことが、傾聴の本質だったことを思い出したのです。

知識があっても、ここぞという時に実践に繋がらない・・・
人間、日々一進一退ですね。
少しずつ、はじめてみよう。
そして、そうやってわたし自身が変化をすると、息子との関係もまたつなぎ直されていく感覚が生まれてきたのです。
「信頼されていないのかも」と思った日が、信頼を学び直す転機になった
子どもが話さないとき、それは話せない何かがあるのかもしれません。 もしかすると、「話す必要がない」と感じているだけかもしれませんし、特に男の子は・・・思春期を迎えて、脳が「男性」に変化していく過程だから感じる、本能的な変化なのかもしれません。
どちらにせよ、親の「不安」よりも、まずは彼にとって「安心できる空気」が必要だったのだと、今なら思えます。
信頼されていないと感じたあの時。
そこが、彼との信頼を学び直す私自身の転機となったのです。
今、悩んでいるお母さんへ
「子どもが話してくれない」と感じると、不安になりますよね。
沈黙の奥に、何があるのか分からない。 聞いても答えてくれないことが続くと、「私の接し方が間違っているのかも」「もう信頼されていないのかもしれない」と、心がざわついてしまう・・・そんな日々に、私もかなりの時間をかけて悩み、考え、実際に立ち止まりました。
でも、今だからこそ言えるのは、子どもは言葉で話してくれなくても、こちらの姿勢や空気をちゃんと感じ取っているということです。
こちらが心を整え、問い詰めず、ただ静かにそばにいること。
その時間は、決して無駄ではなく、ゆっくりと信頼を編み直す準備の時間だったのだと今は思います。
もちろん、今までのリズムを壊し、関係性を変える = 自分に変化を起こすことは、容易いことではありません。
けれども、焦って言葉を引き出そうとしなくても、ちゃんと届くものがあります。 たとえ少しずつでも、子どもとの間にすこしずつ形になる絆を再構築していくことはできると思うのです。
短期決戦はできないのが子育てです。
いまこの記事にたどり着き、ここまで読んでくださったというその「想い」は、間違いなくご自身の中では小さな変化を起こしていて、それがまた、お子さんとの関係に影響を与えていくと思っています。

今必要な言葉、思いに触れて、少しずつ、少しずつ、
子どもとの信頼関係を育てていきませんか?
【次回】本編記事②「なんでそんな言い方するの?子どものネガティブな言葉選びの背景を探る」


