リモートワーク・柔軟な勤務時間・信頼関係のある職場。
一見、理想の働き方でも、「このままでいいのかな」と感じたことはありませんか?
今回の記事では、私自身の働き方を見直した経験をもとに、「条件の良さ」だけでは測れないキャリアの再設計についてお話しします。

いま抱えているモヤモヤを、未来の選択肢に変えていきましょう。
その働き方、本当に「あなたらしい」と言えますか?
出産後、子育てをしながら働ける環境は、何よりありがたいものです。私もコロナを境に 「自宅からリモートで働く」 縁と環境に恵まれました。知人が独立する際、声をかけてもらい、在宅で手伝い始めたのがきっかけでした。子どもの予定に合わせて働ける柔軟さ、オンラインで完結する業務。子供たちのサポートが必要な時期だったため、当時の私にとっては、これ以上に都合のいい職場はないように思えたのです。
けれども、時間が経つにつれ家庭内環境、職場の状況は変化します。
それに伴い、私の心の中にも、少しずつ違和感が芽生えていきました。
好条件の裏側で、少しずつすり減っていた自分の心
軌道に乗っていた知人のビジネスは、高い理想のもとに展開されており、それ自体は顧客の心に深く届くものでしたが、その裏で、理想についていけなくなった同僚たちは一人、また一人と職場を離れていきました。新しく加わった仲間たちからも、次第に相談を受けるようになり、私はその間に入り、何とかお互いの気持ちを繋ごうと必死に立ち回っていました。
同僚たちの置かれた状況を改善するためにも、「それは彼女たちにとっては辛いのではないか」とあくまでも私自身の意見として伝えるように振舞った結果、「あなたまでそう思うのか?」と経営者側の孤独と、つもりに積もった不満を受けることになりました。気づけば、私は両者の間で感情の受け止め役となり、いつしか「職場の不満の受け皿」に変わっていたように思います。実際に、経営者に対して物申せたのは、付き合いの長い私しかいなかったから。調整役を引き受けざるを得なかった側面もありました。
どう動いても両者の心が近づかないもどかしさに、私自身の心も段々とすり減っていきました。
他人の感情の「受け皿」になり続けることの心理的影響
心理学では、共感疲労(compassion fatigue)という現象があります。これは、他人の苦しみやストレスに長期間触れ続けることで、精神的に消耗し、自分の感情や判断力にも影響を及ぼす状態です。
また、情動伝染(emotional contagion)という言葉もあります。他人の感情が、無意識のうちに自分に伝わってしまう現象で、怒り・イライラ・不安といった強いネガティブ感情ほど感染しやすい傾向があるのです。
相談を受ける側がこの状態を放置してしまうと、エネルギーを消耗し、自分の判断力や感情の健全さまで奪われていく…このことに気づいたのは、そんな状況が半年も続き、家庭内での私の振舞い方に家族が違和感を訴えるようになってからでした。
コーチングを学び、実践してきた私が、なぜこの状態に陥ったのか?
私は長年、コーチングを学び、人から相談されることも多くありました。けれども当時の私は、相手の話に耳を傾けながらも、知らず知らずのうちにその感情まで引き受けてしまっていたのです。
「傾聴」とは、相手の話を評価せずに受け止め、安心して話せる場をつくる姿勢のこと。寄り添いつつも、相手の課題と自分の感情を切り分けることが前提にあります。
一方で、「抱え込み」とは相手の感情を自分ごとのように背負ってしまうこと。この状況が続くと、気づかぬうちに心のバランスを崩してしまうことがあります。
似ているようでいて、この二つは本質的に異なります。
そして私は、その境界を越えてしまっていたのだと思います。
本来、コーチングは「気づきを促すための関わり」です。誰かを支えたいと思う気持ちが強すぎたあまり、私自身の心がすり減っていたことにようやく気付くことが出来たのです。
本当にやりたいことに、もう一度向き合ったとき
そうしてようやく、自分の心を守ることの大切さに立ち返ることができました。
そこから、私は改めて問い直したのです。
「このままずっと、ここで働き続けるのだろうか?」
「本当に私がやりたいことは、なんだったのだろう?」
確かに、条件は魅力的でしたが、自分の強みや思いを活かしきれているとは、正直思えなかったのです。
もともと好きだったコーチングやカウンセリングの分野に、もう一度しっかりと向き合おう。そう思うことができたのは、皮肉にもその心が潰されるような、気持ちの落ち込みを経験を通してでした。
資格取得のための準備も始め、未来の選択肢をひとつずつ増やしていく過程に、当時の私の心は少しずつ浮上し、充実感が広がっていくのを感じていました。
最後に:今の働き方が「ゴール」だと思わなくていい
「今の働き方を、未来の自分がどう感じるだろう?」
そう問いかけることで、新しい視点が生まれます。大切なのは、今の仕事を「否定する」ことではなく、「客観的に見直す」こと。
・この働き方は、私の価値観に合っている?
・感情をすり減らさずに、長く続けられる?
・この仕事が、私の人生の目的とどうつながっている?
今、迷いの中にいるあなたも、自分の未来を信じていいと思うんです。
ライフプラン設計とは、「今をやめる」ことではなく、「未来を広げる」ための第一歩なのです。
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