【仕事を手放して不安になったあなたへ】「私の価値って何?」と立ち止まった気持ちと向き合うヒント

生き方・価値観

子どもが大きくなったら、またフルタイムで働く。
周りのママたちからは、そんな声を聞くことが多かったタイミングだったにもかかわらず、私は昨年、その選択と逆に、仕事をやめる選択をしました。

私は出産を機に、正社員からフリーランスへと転身し、
約10年間同じ業界で働いていました。

けれども子育ての終わりが少しずつ見え始めるようになっていたこと、そして、思春期の子供の不登校を経験し、
あと僅かの子育て期間中、もう少し子供たちと共に、時間を過ごしたい
そんな気持ちが、思った以上に強くなってしまったのです。

経済的に余裕があるわけでは無いけれど、、
私が私であるために「今」譲りたくないものを優先したかったからなのです。

もちろん、仕事を手放したことで生まれた経済的な焦りや、
家に貢献できていないような感覚、そして、この選択が多数派ではない現実に、
孤独を感じる時はゼロではありませんでした。

これまで「頑張って働いていた私」が突然いなくなって、心のどこかで
「私はこの家で何の役に立っているんだろう?」と感じてしまったのです。

今日は、そんな私自身の選択と、実際に経験した心のゆらぎや迷いを、ここに綴ってみようと思います。

この記事を読み終える頃、もし同じようなことで心がもやもやしているあなたの中に、何か気づきや残るものがあれば嬉しいです。

💡この記事はこんな方におすすめ
  • 子どもが大きくなり、これからの働き方に迷っている
  • 仕事を手放した(または手放そうとしている)不安がある
  • 家にいる自分に、価値を感じられなくなる瞬間がある
  • 子育て終盤の時間を、どう使うか悩んでいる
  • 正解よりも、自分の気持ちを整理したい

なぜ私は「続けてきた仕事」をあえて手放し、子どもとの時間を選んだのか

出産後、私はフリーランスでずっと仕事を続けてきました。
とは言え、時間の拘束が多く、子育てとの両立に悩んだり、自分の時間がまるで持てなく苦悩した時もありました。けれども、生活のために、それでも働くことを選択してきました。

けれども子どもたちの成長と共に、周りのママたちからは
「これからまた仕事に力を入れたい」
「子育ても落ち着いたから、働くモードに切り替えたい」

そういう声を耳にする機会が増えてきていました。

もちろん、家庭と仕事を上手に両立していかれる方もいらっしゃると思います。
でも私は、心の揺らぎ幅が大きい思春期の子どもたちを目の前に、そして子どもたちの成長の加速をひしひしと感じ、子育てを終える前にもう一度だけ、彼らとの関係を見直したいと思ったのです。

「子どもたちとは一生一緒にはいられない。」
私が彼らの母親の役目を果たすことができる、最後の時間になるかもしれない。」
そう思ったとき、今までの生活を手放すという方向性は、私の中で自然に形を持ち始めていました。

 

多数派ではない選択の、孤独と不安

仕事を手放してすぐに感じたのは、解放感よりも、少しの不安と軸を失ったような揺らぐ気持ちでした。

日々の生活を支えていた収入がなくなる不安や、
「今の私は、何に貢献できているのだろう?」という疑問。
そして、私と同じような選択を取る母親が周りに多くなかったこと。

「仕事辞めちゃったの?!ずっと続けてきたのにね!」
「子どもが大きくなったから、今からが自分の時間なんじゃない?」

そんな声を聴くと、
自分の選択が正しかったのか、考えてしまう瞬間もありました。

家事をしていても、家にいても、「何もしていない私」に感じる日もありました。

「私は日々、何かを生み出せているのだろうか」
「私が子どもと一緒にいたいと思う、独りよがりな気持ちだったのではないか」

そんな心の声が自分の中で聞こえるたびに、心の中にモヤモヤした広がるのを感じていました。
けれども、そう言った、「何かを手放したときに感じる不安や揺らぎ」は、間違った選択をしたからではなく、「大切にしてきたものあったからこそ」なんだと思います。

仕事をしていた自分も、今ここにいる自分も、どちらも大事にしてきた存在。
だからこそ、その変化に戸惑うのは、当たり前のことだったのかもしれないと、今は思うのです。

 

心の違和感に名前をつける

少し話は逸れますが、そんな私の心がどんな状態だったのか、
心理学の本から、2つの言葉を見つけました。

「役割喪失(Role Loss)」という状態

「役割喪失」とは、長く担っていた社会的な役割を手放したときに起こる、心の空白感や不安のこと。
たとえば仕事、育児、介護、それがどんな形であっても、「自分の役割」として機能していた場所がなくなると、心はぽっかりと穴があいたように感じる状態です。

まさに私も、自分の中から「働く私」がいなくなったことで、
自分の立ち位置がふわふわと曖昧になったのを感じていたのです。

誰かに認められる場所がないと、自分の存在価値が見えにくくなる。

でも、これは「おかしなこと」なのではなく、自然で人間らしい感情の動きなのだと理解できると、自分の心が軽くなるのを感じました。

「アイデンティティの拡散(Identity Diffusion)」

さらにもうひとつ、アイデンティティの拡散(Identity Diffusion)という概念について。
これは、自分が何者であるか、どこに向かいたいのかが一時的にぼやける状態を表しています。

肩書きも、外の世界との接点も少なくなった今、私の中には「ただの私」だけが残りました。そして、その「ただの私」をどう受け止めたらいいのか、わからなくなってしまっていたのです。

「私は何をしたかったの?」
「子供中心に生きてしまったら、子育て後は何に向かって生きるの?」
「この先、誰のために、何のために時間を使いたいの?」

そんな問いが、ふとした瞬間に浮かんでは、答えのないまま宙をさまよっていく…。
それがまさに「アイデンティティの拡散」と言われる状態に、近かったのだと過去を振り返り思うのです。

けれども同時にそれは、自分の軸を新しく見つけ直すための大切なプロセスだったのだと思います。

ぼやけた時間があったからこそ、
少しずつ「私が本当に望んでいること」が、色味を増して見えるようになってきたのだと思うのです。

 

仕事を手放して、子どもたちとの関係はどう変わったのか

でもそんな中、たしかに変わったものもあります。
それは、私が目的としていた、子どもたちとの関係です。

特に高校生の上の子との関係は、以前よりずっと穏やかになったと感じられるようになりました。

私自身、感情が高ぶりそうな場面でも、仕事に追われていた時とは違って、
「今、私はイライラしてるな」
と今まで以上に自分の気持ちを客観視できるようになったり、
一呼吸おいて話す余裕が生まれてきました。

そして私の変化による家族の変化は思いの外早く表れ、
子供たちの「心の声」が以前よりもずっと、身近に聞こえてくるようになったのです。

例えば、私自身が「子どもの興味関心を理解しよう」と意識を向けるようになったことで、
子ども自身が
「母親が自分を理解しようとしてくれている」
「見守ってくれている」
「ただそこにいてくれる」
という気配を受け取ってもらえるようになったと感じています
私が焦らずに話を聴けるようになったぶん、子どもも「話しても大丈夫」と感じられるようになったのかもしれません。

人間関係のことや、社会の仕組みや働く意味。
世界情勢やお金の話。

そんな他愛もないことを話してくれる、そして親子で話せる時間が、私にとって今は何よりも大切で、
本当にかけがえのない時間だと実感しています。 

 

「何もしていない」ように見えていた、わたしの役割

客観的に見た私自身の変化について、ある日、
子どもたちからこんな言葉をかけられ思うことがありました。

「ママ、最近なんか優しいね」
「そういえば、最近ご飯がおいしくない?」

仕事を辞めて何もしていないように感じていたこともあった私でしたが、
そのとき、ふと感じたのです。

今の私は、「在り方」で家族に関わっているのかもしれない。

家にいる時間が長くなったからこそできた、
言葉の温度、空気をやわらげる接し方。

それも立派な貢献なのではないかと、
少しずつ、自分の新しい立ち位置を認められるようになってきました。

 

迷いながらたどり着いた、今の私の立ち位置

もちろん、このままずっと働かないわけではありません。
教育費も、将来の備えも、現実的には必要です。

年齢的な壁も感じながら、もう少し子供たちとの時間を楽しんだ後には、
フルフレックスで、フルリモートで働ける自由度の高い働き方を探していきたいと考えています。

その時に私自身が楽しみながら仕事をするためにも、
今は、焦って動き出すのではなく、
自分自身をしっかり見つめなおし
「自分を育てる時間」
をもう少し、過ごしたいと思っています。

子どもと一緒に笑って、話して、心を通わせて。
あとわずかの子育ての時間を、後悔しないように楽しむために。

 

まとめ|手放したからこそ見えるものがある

仕事を手放したことで、私はたくさんの不安に向き合いました。

けれどその奥には、
「何を大事にしたいか」
「どんな時間を生きたいか」

そんな問いがあったように思います。

たくさん悩み、迷い、ゆらいで立ち止まってもそれでも

「今の自分を大切にしたい」と思えたこと。

それが、私がこの時期に選んだ生き方でした。

あなたは今、どんな時間を大切にしたいですか?

もしよければ、あなたの中にある気持ちも、ぜひ教えてくださいね。