【わかってほしいのに伝わらない】自己理解から始める本音のつながり方

人間関係・パートナーシップ

30代、40代と年を重ねていくにつれ、10代、20代の頃のように人間関係に悩まされることは少しずつ減ってきました。

もちろん、それが私自身の強さなのか、それとも諦める術を身につけただけなのかは分かりません。ただ、さまざまな経験を重ねる中で、心地よいと感じられる「人との距離」を理解できるようになってきたからなのだと感じています。

電車やファミレスで、年配の女性たちが周りの目を気にせず、楽しそうにおしゃべりしている姿を見かけたことはありませんか?年齢とともに「いろいろなことが気になりにくくなる」という変化には、実は心理学や脳科学の視点からも説明できる部分があるようなのです。

けれども、自分自身が安定してくると、今度は、周りの不安定な人たちに目が向いていきます。友達や家族、子どもたち…彼らが、職場や学校などの人間関係で「うまくやっていけてない」と感じているときに、自分の経験や「考え方のヒント」で何か役に立てることがないかと思うようになりました。

そんな時、読み進めていたテキストの「対人関係のスタートはまず自己理解から」という一文が目に留まりました。セルフコーチングを生活に取り入れてきた私にとって、その言葉は日々の習慣を改めて言語化してくれている言葉であって、まさに、人間関係で悩んでいる周りの大切な人たちに伝えたい言葉でもあったからです。

今日は、自己理解がなぜ人間関係の土台になるのかを、私自身の体験を振り返りながら改めて整理してみたいと思います。

 

💡この記事はこんなあなたにおすすめ

・人間関係は悪くないのに、どこか虚しさがある
・本音を出すことにメリットを感じられず慎重になっている
・セルフコーチングや自己理解に関心がある
・「もっと自然につながれたら」と感じている

対人関係のスタートは、なぜ自己理解なのか

「対人関係はまず自己理解から始まる」

心理学をずっと学んできた方には、とても基本的なな考え方かもしれませんが、相手ありきの人間関係を良くしたいと思ったら、まずは「相手」ではなく、「自分」に目を向けることが大切になります。
対人関係は、「もっと頑張ってコミュニケーション力を上げよう」という話ではないのです。

私たちは、人間関係がうまくいかないとき、つい外側に答えを探しがちです。話し方を変えよう、印象を良くしよう、嫌われないようにしよう。でも、その前に「私は今、何を感じているのか」を知らなければ、どんな言葉にも魂が宿らないと思うのです。

「ジョハリの窓(Johari Window)」という考え方は聞いたことがあるでしょうか?
人の自己認識を4つの領域に分ける考えです。


開放の窓
自分も他人も知っている自分
② 秘密の窓
自分は知っているが他人は知らない自分

③ 盲点の窓
他人は気づいているが自分は知らない自分

④ 未知の窓
自分も他人も知らない自分

私自身が初めて「自己開示とジョハリの窓」の考えに触れた時、自己開示をすると、②の「秘密の窓」が少しずつ①の「開放の窓」に移動していく、ということが深く印象に残りました。

つまり、「実はね」と自分のことを話した瞬間、相手との共有スペースが広がるのです。
だから本音を言わないと関係は深まらないのかと、深く納得しました。

でも、ここで大切なのは順番で、自分を表現する自己開示の前に、まず自己理解があります

自分の感情を把握していなければ、開示することはできません。
セルフコーチングで繰り返し問いかけてきた「私はどう感じている?」という問いは、実は人間関係の入り口だったのだと改めて気がつきました。

 

本音を後回しにしてきた私たちの背景

30代、40代の女性は、多くの役割を抱えています。
母として、パートナーとして、職場の一員として、時には親のサポート役として。

その中で、自分の感情はどうしても優先順位を下げてしまっていませんか?
例え自分の感情に気づいていたとしても、自分の気持ちよりも相手を優先して、

「忙しいから後で考えよう」
「こんなことでモヤモヤしてちゃだめ」
「言わないほうがうまくいく」

こうして小さく折りたたまれ封じ込められた感情は、時間の経過で消えていくわけではなく、一見薄まったように見えても、人知れず心の奥に積もっていたと思うのです。

感情を無意識に押し込めることを「感情の抑圧」と呼びますが、抑圧された感情は、形を変えて疲労感やイライラとして現れることもあると言われています
理由のわからない疲れや、ふとした瞬間の孤独感。それは、人間関係の問題というよりも、むしろ自分の感情を置き去りにしてきた結果に繋がっていたかもしれないのです。

特に日本では、本音を言わないことが大人の配慮、美しいという風潮が今も尚残っているかのように感じる時があります。けれどもそれが長期に渡り続いてしまうと、「私は何を感じている人なのか」がわからなくなってしまうのではないでしょうか。

自己理解が曖昧なままでは、誰かと深くつながるのは難しい。
それは、相手の問題ではなく、自分の内側の問題だと思うのです。

 

自己開示は「弱さ」ではなく、心を整える行為

自己開示と聞くと、「重い話をすること」とか、「弱さを相手に見せること」というイメージを持つ人もいるかもしれません。

けれども心理学の分野では、感情や葛藤を言葉にして他者と共有することが、精神的健康を促進する働きを持つとされています。これは感情表出(Emotional disclosure)とも呼ばれていて、ストレス軽減や自己理解の深化につながると考えられています

そして、それってとっても身近に始められることなんです。

「今日は少し疲れている」
「実はちょっと不安だった」
そんな小さな一言だって、自己開示なんです

自己開示は、相手に何かを求める行為ではなく、自分の感情を正直に扱う態度なのです。

そして不思議なことに、ほんの少し本音を伝えたとき、相手も少しだけ本音を返してくれることがあります。
大きな変化ではないけれど、相手との距離が縮まったと感じられる瞬間です。

ジョハリの窓で言えば、「秘密の窓」が少し開き、「開放の窓」が広がるイメージ。
そのプロセスは劇的ではないけれど、気づかぬうちに、そして、少しずつ広がっていくのだと感じています。

 

私が実践している、小さな自己理解と自己開示

ここまで読んでも、「自己開示ってやっぱり勇気がいる」と感じる方もいるかもしれません。
私もまだすべてをさらけ出すまで自分を外に出すことはできていません。
でも、勇気がいることだからこそ、私は段階を大切にしています。

1.まずは「自分の中で」言葉にする

いきなり誰かに話す前に、

「私は今、何にもやっとしている?」
「本当はどうしたかった?どうしてほしかった?」

など、自分の気持ちをノートに書く。
言葉にすると、感情は少し形を持ち、形を持つと、扱いやすくなるからです。

2.安心できる人を選ぶ

自己開示は、誰にでもする必要はありません。
信頼できる人、否定せずに聞いてくれる人。そういう存在が一人いるだけで十分だと思うのです。

もし身近に思い当たらなければ、カウンセラーやコミュニティも選択肢になります。
大切なのは、「安全な場」であることなんです。

3.結果を期待しすぎない

自己開示をすしても、必ず関係が深まるとは限りません。
思った反応が返ってこないこともありますよね。

でも、「自分の気持ちを大切に扱えた」という事実は残ります。私はその感覚こそが、自己信頼を少しずつ育てているのだと思っています。

 

人間関係を「整える」という視点

30代、40代の人間関係は、広げることよりも、整えることが大切な時期と私は思っています。

無理に誰かに好かれようとしなくてもいいし、自分自身を隠し続けなくてもいいと思うんです。

自己理解を続けることは、自分との信頼関係を育てることに繋がりますし、自己開示は、その信頼を少しだけ外側に差し出すこと。もしかしたらそれは、とても勇気が必要なこともあるかもしれません。

そして、相手の自己開示を受け取ることもまた、関係を深める大切な要素です。
「そうだったんだね」と静かに聞くこと。
そこに上下関係はなく、ただ人と人がいるだけ。

対人関係はテクニックではなく、相手と向き合う姿勢なのかもしれません。
自分を大切に扱う姿勢。
相手を尊重する姿勢。

その積み重ねが、ゆっくりと関係を育てていくのだと、私は今感じています。

 

まとめ|自己理解は、人とつながる静かな土台

「対人関係のスタートはまず自己理解から」

この言葉は、私にとって人間関係のハードルを下げてくれました。
何かを完璧にしなくてもいいし、まずは、自分の気持ちを知ることからでいい。

自己理解を深め、小さな自己開示を重ねること。
それは劇的な変化を起こすわけではないけれど、しっかりと心を整え、人との距離をやわらかく縮めていってくれました。

今、あなたが感じている小さな本音は何でしょうか。
それを、まずはあなた自身が受け止めてあげる。
そこから、静かなつながりが始まるのかもしれません。

あなたが最近、誰かに話せていない気持ちがありますか?

もしよければ、心の中でそっと言葉にしてみてくださいね🌿